国鉄民営化は旅人やサイクリストにとって良かったのか?
国鉄が民営化されて30年以上が経ちました。列車の高速化や増発、Suicaや駅ナカなど便利になった部分もある反面、不便になってしまった所も数多くあると思います。そこで今回は、旅人にとって国鉄民営化が果たして良かったのか考えてみました。
民営化のデメリット(旅人目線)
①夜行列車の廃止
②ローカル線の廃止や減便
③極端な特急誘導ダイヤ
④長距離普通列車の激減
⑤JR各社相互乗り入れ激減
⑥会社跨ぎで高騰する料金体系
⑦徹底的に合理化された車両(普通列車)
①夜行列車の廃止
個人的に民営化でもっとも不便になったと感じるのは夜行列車の廃止です。全盛期には日本全国に夜行列車が走っていましたが、現在定期で走っているのはサンライズ瀬戸とサンライズ出雲のみとなってしまいました。
夜行列車は寝ている時間を有効に使えるので便利なのですが、利用者の減少により(JRの言い訳?)廃止されてしまいました。夜行列車はコストがかかる割に儲けが少ないのか、JR各社は新型車両などで巻き返しを図るというような努力をすることもなく、あっさりと廃止してしまいました。
新幹線なら1車両100人くらい乗れますが、夜行列車では精々20人くらいです。1車両20人くらいで新幹線料金+αくらいの料金ではあまり旨味のない商売ですので、JRとしては何かしら理由をつけて廃止にしたいというのが本音だったのかもしれません。
また、JRが地域ごとに複数の会社に分かれてしまったのも夜行列車にとっては不幸なことでした。複数会社に跨いで走る夜行列車は、会社間の調整が面倒なことや、運賃収入の分配など、JRにとってやっかいな存在でした。「こんなめんどうな列車よりも新幹線に力を入れたい」というのがJRの本音だったのかもしれません。
現在、夜行バスが日本全国走っているので、それを利用すれば良いという声もありますが、夜行バスは基本輪行NGですので、自転車旅との相性は良くありません。また、夜行列車のような旅情もありませんので、夜行列車の代替にはなりえないと思います。
②ローカル線の廃止や減便
これはある程度やむを得ないかなと思います。実際に廃止されたのは、岩泉線のように極端に利用者が少なく、僻地のローカル線ですので、直ちに影響はないかなと思います。ただ、JR北海道は半分以上の線で廃線の危機と言われていますので、廃線になってしまったら大打撃です。
サイクリスト目線で見ると、いざというときの輪行手段としてローカル線は重要なので、無くなるとやはり不便です。もし国鉄が民営化されていなければ、恐らくここまでローカル線の廃止はなかったのかなと思います。
③極端な特急誘導ダイヤ
これは貧乏サイクリストにとっては死活問題です。特急は毎時1本は走っているような幹線でも普通列車は3時間に1本程度しかないような区間もあります。日豊本線の佐伯-延岡間では特急が毎時1本走っているにもかかわらず、普通列車は2往復しかありません。
特急誘導は田舎だけではなく都市部でも進みました。これまで快速だった列車の多くが特急列車になってしまいました。所要時間や停車駅が快速と大差のない名ばかり特急が全国各地に増殖してしまいました。
④長距離普通列車の激減
これも貧乏サイクリストにとっては死活問題です。JRになって増発された反面、長距離を走る列車が激減し、乗り換え回数が激増しました(特に静岡地区や仙台地区)。
③JR各社相互乗り入れ激減
これは①や④の原因の一部になると思いますが、基本的にほとんど列車が自社内で完結するようなダイヤになってしまいました。
⑥会社跨ぎで高騰する料金体系
これも貧乏サイクリストには痛いです。会社をまたぐと特急料金が打ち切りになり、新たな特急料金が発生するといもの。特急料金は長距離になるほど値段の上がり方が緩やかになりますが、途中で打ち切りとなってしまうと、料金が跳ね上がります。
例えば新大阪から鹿児島中央まで新幹線を利用した場合、新大阪‐博多間と博多‐鹿児島中央間でそれぞれ別々の費用が発生します。このため、新大阪鹿児島中央間の特急料金は9500円(自由席)と高額になります。もしも国鉄のままだったら、途中で打ち切りになりませんので8000円以下になっていたことでしょう。ちなみに国鉄時代から存在していた東海道新幹線と山陽新幹線は会社跨ぎでも料金は打ち切りになりません。
⑦徹底的に合理化された車両(普通列車)
合理化のために地方においても都市部と同じようなロングシートの味気のない通勤型車両が増殖しました。やはり旅なら昔ながらのボックスシートのほうが旅情があっていいと思います。
ということで長くなりましたが、旅人目線で考えると国鉄民営化は必ずしも、良かったとは言えないと思います。また国鉄に戻せとは言いませんが、もう少し旅人にも優しい政策をお願いしたいと思います。
国鉄が民営化されて30年以上が経ちました。列車の高速化や増発、Suicaや駅ナカなど便利になった部分もある反面、不便になってしまった所も数多くあると思います。そこで今回は、旅人にとって国鉄民営化が果たして良かったのか考えてみました。
民営化のデメリット(旅人目線)
①夜行列車の廃止
②ローカル線の廃止や減便
③極端な特急誘導ダイヤ
④長距離普通列車の激減
⑤JR各社相互乗り入れ激減
⑥会社跨ぎで高騰する料金体系
⑦徹底的に合理化された車両(普通列車)
①夜行列車の廃止
個人的に民営化でもっとも不便になったと感じるのは夜行列車の廃止です。全盛期には日本全国に夜行列車が走っていましたが、現在定期で走っているのはサンライズ瀬戸とサンライズ出雲のみとなってしまいました。
夜行列車は寝ている時間を有効に使えるので便利なのですが、利用者の減少により(JRの言い訳?)廃止されてしまいました。夜行列車はコストがかかる割に儲けが少ないのか、JR各社は新型車両などで巻き返しを図るというような努力をすることもなく、あっさりと廃止してしまいました。
新幹線なら1車両100人くらい乗れますが、夜行列車では精々20人くらいです。1車両20人くらいで新幹線料金+αくらいの料金ではあまり旨味のない商売ですので、JRとしては何かしら理由をつけて廃止にしたいというのが本音だったのかもしれません。
また、JRが地域ごとに複数の会社に分かれてしまったのも夜行列車にとっては不幸なことでした。複数会社に跨いで走る夜行列車は、会社間の調整が面倒なことや、運賃収入の分配など、JRにとってやっかいな存在でした。「こんなめんどうな列車よりも新幹線に力を入れたい」というのがJRの本音だったのかもしれません。
現在、夜行バスが日本全国走っているので、それを利用すれば良いという声もありますが、夜行バスは基本輪行NGですので、自転車旅との相性は良くありません。また、夜行列車のような旅情もありませんので、夜行列車の代替にはなりえないと思います。
②ローカル線の廃止や減便
これはある程度やむを得ないかなと思います。実際に廃止されたのは、岩泉線のように極端に利用者が少なく、僻地のローカル線ですので、直ちに影響はないかなと思います。ただ、JR北海道は半分以上の線で廃線の危機と言われていますので、廃線になってしまったら大打撃です。
サイクリスト目線で見ると、いざというときの輪行手段としてローカル線は重要なので、無くなるとやはり不便です。もし国鉄が民営化されていなければ、恐らくここまでローカル線の廃止はなかったのかなと思います。
③極端な特急誘導ダイヤ
これは貧乏サイクリストにとっては死活問題です。特急は毎時1本は走っているような幹線でも普通列車は3時間に1本程度しかないような区間もあります。日豊本線の佐伯-延岡間では特急が毎時1本走っているにもかかわらず、普通列車は2往復しかありません。
特急誘導は田舎だけではなく都市部でも進みました。これまで快速だった列車の多くが特急列車になってしまいました。所要時間や停車駅が快速と大差のない名ばかり特急が全国各地に増殖してしまいました。
④長距離普通列車の激減
これも貧乏サイクリストにとっては死活問題です。JRになって増発された反面、長距離を走る列車が激減し、乗り換え回数が激増しました(特に静岡地区や仙台地区)。
③JR各社相互乗り入れ激減
これは①や④の原因の一部になると思いますが、基本的にほとんど列車が自社内で完結するようなダイヤになってしまいました。
⑥会社跨ぎで高騰する料金体系
これも貧乏サイクリストには痛いです。会社をまたぐと特急料金が打ち切りになり、新たな特急料金が発生するといもの。特急料金は長距離になるほど値段の上がり方が緩やかになりますが、途中で打ち切りとなってしまうと、料金が跳ね上がります。
例えば新大阪から鹿児島中央まで新幹線を利用した場合、新大阪‐博多間と博多‐鹿児島中央間でそれぞれ別々の費用が発生します。このため、新大阪鹿児島中央間の特急料金は9500円(自由席)と高額になります。もしも国鉄のままだったら、途中で打ち切りになりませんので8000円以下になっていたことでしょう。ちなみに国鉄時代から存在していた東海道新幹線と山陽新幹線は会社跨ぎでも料金は打ち切りになりません。
⑦徹底的に合理化された車両(普通列車)
合理化のために地方においても都市部と同じようなロングシートの味気のない通勤型車両が増殖しました。やはり旅なら昔ながらのボックスシートのほうが旅情があっていいと思います。
ということで長くなりましたが、旅人目線で考えると国鉄民営化は必ずしも、良かったとは言えないと思います。また国鉄に戻せとは言いませんが、もう少し旅人にも優しい政策をお願いしたいと思います。
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