バイクパッキング全盛の今、伝統的なサドルバックを使用する理由

現在自転車旅行ではバイクパッキングと呼ばれる新しいスタイルが定着しつつあります。

このスタイルは従来のようなキャリア類を一切必要とせず、大容量の荷物を積載できるという特徴があります。

しかも、バイクパッキングは従来では考えられないほどの軽量化を達成することができます。

例えばサドルバッグをみてみます。
従来はキャリヤとバッグで1㎏近い質量になってしまいましたが、ナイロン製の最新素材の採用とキャリアレスとすることでわずか400g以下に収めることができてしまいます。

私も軽量化の魅力にひかれて、2017年の三陸縦断旅から本格的に採用を開始しました。
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これまではリア2サイド(リアキャリア+サイドバッグ×2)しか使ったことがなかったので、
バイクパッキングによる軽量化の効果は絶大でした。
詳しくは⇒バイクパッキングについて
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1㎏近いリアキャリアが丸々いらなくなったことに加えて、こちらも1㎏近いサイドバッグがわずか400gのサドルバッグになったことで、合計1.5㎏程度の軽量化となりました。

(ただし、サイドバッグ2個分の容量をサドルバッグだけで稼ぐことは不可能なので、フレームバッグやボトルケージへの荷物積載が必要となり、同じ積載量で比較したら実質1㎏くらいの差かも?)

しかし下記のような欠点もあり、結局1週間以上の長旅ではリア2サイドの伝統的なスタイルがベストであるという結論に至りました。

・容量が少ないので1週間以上の長旅には使いづらい
・サドルバッグは奥に行くほど断面積が狭くなるので、
    カタログ容量ほど荷物が積載できない
 (一番奥まで綺麗に荷物入る?)
・上記の理由で荷物の出し入れが非常にやりにくい
・キャリアを使わないので、ダンシングでバッグが揺すられる上に重心が高くフラフラする
・防水性がないので、カバーで覆う必要がある


何度も荷物を出し入れする場合、細長のサドルバッグはストレスがたまります。また、軽量化できるといっても1.5㎏程度なので運ぶ荷物の量からすれば大した比率ではなく、実用性やトラブル等のリスクを考えると必ずしもバイクパッキングが良いというわけではないという結論に至りました。

ちなみに個人的にはフレームバッグはフレームがボロボロになるので極力使わないほうが良いと考えてます。
フレームバッグの危険性

というわけで前置きが長くなりましたが、今回改めて伝統的な横型のサドルバッグを見直してみることにしました。

このタイプのサドルバッグは既に時代遅れのレッテルを張られ、一部のマニア向けに細々売られているにすぎませんが、とりあえず試してみることにしました。といってもいきなり大金は出せないのでまずは安いバッグから試しました。

キャラダイスクラシックサドルラック+無名ブランド防水バッグ(10L)
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やはりキャリアの効果は絶大で安定感はまるで違います。またバッグの形状も単純な円筒形状なので荷物の積載性もよくなりました。さらにこのバッグは完全防水なので雨の中でも問題ありません。(ただし耐久性は低いので使い捨て感覚で)

また、このキャリアはサドルと工具なしでワンタッチで着脱できるという特徴があり、輪行もおっくうになりません。

弱点としてはバッグとキャリアを紐でくくり付ける必要があり、中身を取り出す度に紐を緩める必要があり億劫なところと、重心がやや高いところでしょうか(バイクパッキングよりはマシ)。

横型のサドルバッグ+キャリア保持の組み合わせが悪くないということが分かったので、いよいよ定番中の定番キャラダイス(Carradice)のサドルバッグを購入してみました。

大容量のモデルとしてはネルソンが定番ですが、今回はカデットというモデルを購入しました。カデットはネルソンのサイドポケットがないバージョンで、横幅が抑えられているので空気抵抗の悪化を最小限に抑えられるうえに、価格が安く済みます。

また、キャリアも低重心化を狙いキャラダイスバッグマンQRエクステンドに変更しました。このキャリアは底面がタイヤから20㎜程度の位置にあるので低重心化に大きく貢献し走行安定性を高めることに成功しました。


キャラダイスバッグマンQRエクステンド+キャラダイスカデット
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このバッグは帆布製なので今どきのナイロン製バッグと比べるとで重さがあります。ただし荷物の出し入れ性は格段に良いです。蓋を開けるだけで中身が簡単に取り出せますし、ワンタッチでキャリアに固定できます。こいつにテントと寝袋を綺麗に収納することができます。やはり横型のサドルバッグは実用性最強です。

ただ、蓋の開け閉めは革製ベルトで行う必要があり少々億劫です。今風にナイロン製ベルトでワンタッチ着脱ができれば良いのですが。また、防水性が防滴程度しかありませんので、土砂降りの中のサイクリングではレインカバーが必要です。

また、このバッグはイギリスで手作業で製作されおり、その証として作成者のサインが入っています。かなり頑丈なつくりなので、少々重たいですがおそらく一生ものとなることでしょう。

ただ、もしナイロン製で同じバッグがあったら私はそちらを購入していたと思います。私は雰囲気よりもあくまで実用性重視なので・・・

私は下記写真のように適度なバンドでテントやポールなどを括りつけたりするようなアレンジも入れてます。バッグ自体の容量は13L程度ですが、アレンジを入れることで30L相当に増加させることができます。こういったアレンジができるのもこのバッグの利点でしょうか。
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というわけで、色々なスタイルを試してきましたが、現在では4日以内のツーリングはこのスタイルに固まりつつあります。