中途半端が最大の長所!?ランドナーというマイナー車種

私はランドナーに乗り始めて5、6年くらいたちました。かれこれ飽きることなく1万キロ以上は走行したと思います。これまでランドナーに乗ってきて感じたことについてまとめてみました。

1.ランドナー導入理由
サラリーマンという過酷な人生に絶望した私は現実逃避のために、ふと自転車で遠くに行きたいと思い立ち、日本一周を始めました。最初は通勤用のクロスバイクでしたが、次第に専用の自転車が欲しいという気持ちが強くなり購入を検討し始めました。私が日本一周用の自転車で必須と考えたポイントは以下の通りです。

[求める条件]
1.キャリアが取り付くこと(ダボ穴あり)
2.太めのタイヤが履けること
3.泥除けが取り付くこと
4.長距離乗っても疲れにくいこと
5.ある程度軽快に走れること
6.ちょっとしたダートを走れること
7.タイヤは入手性の良い700Cであること
8.普段着で乗っても違和感ないこと
9.日本の風景に溶け込むこと
10.人とは違う自転車であること


上記の条件をすべて満たせたのがランドナーというマイナー車種でした。正直なところ上から7つ目の項目まではクロスバイクや今流行り?のグラベル系バイクなどでも満たすことはできました。

しかし日本の風景に溶け込むというのが難点でした。最近のバイクは派手なカラーにデカデカと書かれたメーカロゴなど、周囲に威圧感を与えるデザインとなっていますが、私の旅は野宿主体なので、周囲に極力威圧感を与えないというのが必須条件でした。

そんなこともあって最終的にはPanasonicというこれまたマイナーメーカのFSS6という車種を選択するに至りました。この車種はPanasonicのラインナップの中でも相当不人気なのか、ネットでもほとんど情報が出てきません。いつ廃盤になってもおかしくないのではと思います。

当時はフレームセット+泥除け+フロントキャリアで11万でしたが、現在では値上げされ、13万以上するようです。ここまで高くなるとフレームフルオーダーも視野に入ってくると思います。
一応、この車種はフルオーダーとまではいきませんが、好みのカラーやメーカロゴの配置等をカスタマイズすることはできます。

細身のクロモリフレームに主張しすぎないメーカーロゴは周囲への威圧感を最小限に抑え、古臭い見た目は、自転車窃盗団の窃盗意欲を削ぎ落すことを可能としています。
IMG01214

長くなりましたが、正直なところランドナーを選んだ半分以上の理由は見た目です。見た目が気に入らなければ愛着が持てず、すぐに乗らなくなります。逆に愛着があれば多少の欠点があっても目を瞑ることができ、結果として長く乗り続けると考えました。

そんな理由で私はランドナーを選択するに至りました。

今の時代、性能面だけで考えれば、強力なディスクブレーキを搭載したグラベルロードが旅自転車の最適解なのかなと思います。各部品には最新技術が投入され、アルミやカーボンなど最新素材のフレームと組み合わせることで高剛性かつ軽量なバイクになっています。進化することをやめてしまったランドナーとは対照的です。

2.これまで乗ってきた感想
5・6年乗ってきて一番感じることは、どのような用途にもそこそこ対応できる対応力の高さです。

日本一周のような長期ツーリングは勿論、のんびり近場を走るポタリング、林道・旧道・廃道巡りのようなオフロード走行、真冬の北海道ツーリングのような雪上走行、泥除けやキャリアをすべて取払った高速走行などこれ一台で全てに対応できてしまいます。
IMG01311
20190223131814_IMG_0475
IMG_20190127_125535

全てにおいて中途半端な性能であるからこその対応力の高さです。私のような貧乏人にはそれぞれの用途に適した自転車を購入する経済力も、保管場所もないので非常に重宝しています。

また、のんびり走っても違和感がないというのもランドナーの利点です。ロードバイクですと全身専用ウェアにサングラス・ヘルメットなど完全武装し、常に高速でグイグイ走行するような乗り方を強いられますが、ランドナーであればのんびり景色を見ながら自由気ままにツーリングという楽しみ方ができます。

走り方や流行などに左右されない自由度の高さ
もランドナーの魅力です。

3.私のランドナーの仕様
ランドナーという車種は歴史が古く既に完成された感があり、昭和のころからほとんど姿かたちを変えることなく今日に至ります。熱心な愛好家も多く、今では入手困難なビンテージパーツだけで構成した魔物のようなバイクも多く存在し、初心者が扱うには少々ハードルが高いのも事実です。

現代のバイクにはないその美しさは、日本一周のような過酷な旅で使用するのをためらうほどです。床の間に飾って楽しむという愛好家も多いようです。

そのような美しいランドナーと比較してしまうと、私のランドナーはランドナーと呼べるものではありません。「ランドナールック車」や「シン・ランドナー」といった呼び方が適切なのかもしれません。

フレームのみ購入し、手持ちの有り合わせの部品で製作したので、美しいビンテージパーツは一切ありません。トランスミッションは全て入手性の高い現行シマノ製と邪道な仕様です。

旅で得られたフィードバックから色々と改良を重ね、現在ではフロントシングルに36Tの巨大なスプロケット、ブルホーンハンドルといった禁断の魔改造に手を出してしまいました・・
(仕様についての詳細はこちらで)
IMG_4205

4.旅で得られたフィードバック&改造

①ドロップハンドルの下ハンはほぼ使用しない。上ハンだとブレーキレバー根本を引くので強力なブレーキがかけられず危険(カンチブレーキなのでなおさら)
⇒ブルホーンハンドルに改造
 (詳細はこちら)

②フロントの変速はほぼしていない。調整・メンテも面倒。
⇒フロントシングル化
 (詳細はこちら)

③タイヤの幅は軽快感と安定感のバランスが重要
⇒色々試行錯誤した結果32Cに落ち着いた
 (詳細はこちら) 

④長期ツーリングだとスマホやカメラの充電に困る
⇒フロントハブダイナモ&USB給電機能付きライトで自家発電
 (詳細はこちら)

⑤現地での観光・散策を考えるとビンディングペダルは向かない
⇒フラットペダル化(1日当たりの走行距離変わらず)
    (詳細はこちら)   

⑥2、3日の短期ツーリングでリアキャリアを取り付けるのは面倒・重装備すぎる
⇒バイクパッキング導入
 (詳細はこちら)

⑦泥除けがあると輪行時にばらすのが手間
⇒有り無し色々試した結果、1週間以上のツーリングでは泥除け必須と結論
 (詳細はこちら)